アメリカで出産⑩ - LDR(いざ出産!!)+無痛分娩

前回はこちら↓

Triageルームの検査で入院、出産が決まると、そこからLDRルームに向かいます。
LDRはLabor、Delivery、Recoveryの略で、陣痛から出産、その後のケアを同じ部屋で行います。
日本でも最近はこういうタイプが増えているという話は聞きます。

 

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LDR

LDR室に行くと、中心にベッドがあり、色々な機材、トイレ、シャワー室、テレビやベンチソファなどが全て収まっています。
病院に着いたのが深夜24時過ぎで、LDRに移動したのは1時半くらい。早くもドキドキが。

お世話になったLDR室↓

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入ると最初にNSTの機材を体に当てます。
これで胎児の心音をききながら陣痛の間隔をチェックできます。
それとは別に腕に太い点滴を。これは出産前から後まで、必要な栄養や薬などを注入し続けるものです。
ついでに嫁が搬送されている間に、荷物を車から取ってきます。これで準備OK。

 

でここからは。。。。。。ひたすら待つ

 

特に初産では時間がかかることが多いですが、陣痛が進まないことには産めません。
子宮口が10cmが最大時として、LDRに入った時には6cmだったそうな。

最初に付いてくれた看護婦さんはベテランのおばちゃんな感じ。
「私のシフトが朝7時までだから、ギリギリそれまでには生まれるかな」と。
その発言を聞き、ひとまず両親に連絡。

 

一方、嫁は定期的にくる陣痛に耐える。ただなんとか耐えれてるみたい。
プラン的にはある程度進んだら無痛分娩に切り替える予定だったんだけど、意外と耐えれてる。
このまま行けるのだろうか。

 

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辛抱

6時くらいになるとおばちゃんが確認。
「今まだ8cmくらいなので9時くらいかな。」

伸びてますやん。。。

とおばちゃんのシフトがまたがってしまうので、次の人に引き継ぎが行われる。引き継ぎ先はもう少し若い看護婦さん。なんか便りにならなさそうな雰囲気で少し心配。

 

9時になる。
「これは12時かなー」
こればっかりは病院側はどうしようもないので、待っている。
同じタイミングで陣痛がしばらく進展しないので、陣痛促進剤が投与される。

 

11時になる。
さすがに看護婦たちも「おかしいなー」という雰囲気になる。

と、そこで説明がされたのが、陣痛が長引いて母体の体力も持たなくなり胎児にも影響がありうるので、12時まで特に動きがなければ人工破膜という措置をしましょうというもの。
というのも、入院のきっかけは羊水だったけど、実は完全に破水していたわけではなく、羊水が漏れていた感じだったらしい。なので、陣痛が進むに進まない状況だったとのこと。
説明をうけ、了承する。

 

12時になる。
予定通り人工破膜をすることに。名前は怖いけど、細長い棒のようなもので穴を空ける作業です。
その時搭乗したのがうちの主治医。
「今日は出産病棟への出勤なのよー!あなたたちの出産に立ち会えるなんで!!Everything OK!!!」
とよくわからないテンション。こっちは消耗戦なのに。
どうやら担当制で産婦人科医は通常のオフィスではなく出産を行う病院に通院しているみたい。意外と主治医が出産に立ち会うケースというのは稀なようです。

 

そんなこんなで、破膜ビシッ。

 

すると本当の破水となる。
ここから始まるぞー、と思った矢先、嫁が突如陣痛に苦しみだす。
これまでとは桁違いの陣痛のようだ。
破水したことで、ある意味本当の陣痛が始まった模様。見てるだけでしんどそう。

 

無痛分娩

一気に苦しみだした嫁を横で担当の看護婦さんが、
「これからランチ休憩なの。何かあったら代理の人がいるからね。ファイト。」
「そうそう、無痛に切り替えるなら麻酔士が空いてるタイミングがあるから早めにね。」
みたいな。

まぁ確かに向こうも仕事だからそうなんだろうけど。。。

 

と嫁が本当に泣きながらギブアップしそうなので、無痛に切り替えよう!!と二人で判断。(正直もともと無痛にするつもりではあったんだけど)
そこで登場したのが代理の看護婦。
パッと見で、この人なら大丈夫、という雰囲気をもったスーパー看護婦。
即その方に無痛をお願いします、と言うと。

 

「そうだよね、痛いよね。私も産んだ時痛すぎて泣いちゃったよ。そして無痛に切り替えたよ。すぐ楽になるからね。」

ととてもencouragingな受け答え。
するとスーパー看護婦は即座に麻酔士を召喚!!!

 

えっ、さっきの人、麻酔士のタイミングが云々って。。。?!

 

その麻酔士もこれまたスーパー麻酔士的なオーラがむんむん。
看護婦は「私も自分の出産の時この人にやってもらったよ、超上手いから大丈夫」と安心させてながら嫁の体を支える。

 

さてここで無痛分娩の仕組み。
簡単に言うと、下半身の痛みを感じさせなくするための麻酔です。陣痛はそれはそれは激しいものなので、脊髄に打ち込みます。
脊髄にたどりつくには背骨の骨と骨の間を狙って注射することになります。難易度も高いし、陣痛が来ていないわずかな時間に打たなくてはならないし、しかももちろん脊髄への投与なので、それなりにリスクも存在します。

 

と背骨と背骨を打つために、妊婦は背中を丸めて麻酔師に打ってもらいます。
前には看護婦がやさしい言葉をかけ続ける。
熟練の麻酔士と看護師のおかげでこの一連の処置は5分―10分でした。

 

麻酔が効いてくると、嫁は少しずつ楽になった模様。
「よくがんばったねー」と親身になってくれるスーパー看護婦。
麻酔士もこれでバッチリだよ、と言ってくれる。この麻酔士はその後も時間がある時には声をかけにきてくれる超優しいオジサン。
この人たちスゲー、と思ってたら、担当の看護婦が帰ってくる。
「無痛打ったんだったねー。私はランチ食べれたよ、テヘペロ♪」

 

と、一番大事な時にいませんでしたけど!!という感じですが、逆にあの処置を迅速に、且つ優しくできるのはあのスーパー看護婦しかいないので、ある意味よかったです。
麻酔をうった嫁は容態が落ち着き、出産に向けて仮眠を取ることに。
よく考えると、嫁は金曜日の朝から陣痛で夜も苦しんでいたので、50時間くらい寝てないことに。。。。

 

出産

長くなったので続きます。↓

そして出産に向かっていきます。
この間、励ますことしかできないお父さんは少し無力ですね。ただ、それでも近くにいるだけで少しでも安心できるのであればそれが一番だとは思います。
ただ2人目とかになると、一人で産めるから大丈夫、とかになるのかな。ならないか。

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