最近Fintechという言葉をよく聞きますが、その範囲の中にP2Pレンディング、ソーシャルレンディングというカテゴリも含まれるそうです。
その世界で一番規模が大きいと思われるLending Clubを1年半ほど試しに使ってみたので、レビューしてみます。
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Lending Clubとは
P2Pレンディング、簡単に言うと、個人が個人に(peer-to-peer)お金を貸す(lending)という仕組みです。
Lending Clubなどは、その個人間の貸し借りをするプラットフォームとして運用されています。
なぜこれが流行っているのかというと、アメリカでは多くの人がクレジットカードなどを使って、ある意味「借金をしている」ような状態になっています。
その他にも綿密にソーシャルセキュリティーナンバーでクレジットスコアや履歴などが管理されているため、お金を簡単に借りたい時に借りれないというシチュエーションがよくあるそうです。
その他にも一時的に出費が大きく膨れ上がる時にお金を借り入れしたいという需要もあります。
そこで登場するのがP2Pレンディング。
借り手側は、それらの借金のrateより安い利率だったり、比較的手軽にお金を借りることができます。
貸し手側は、簡単にいうと利率から銀行がとっているようにマージンをもらいます。
もちろん運営側にもお金が入るので、貸し手はその分は差し引かれています。
なので銀行業務における手数料が貸し手側にとってのメリットになります。
もう一つ特徴的なのは、このプラットフォームによって、貸し先を分散することができます。
仮にAさんだけのお金貸した場合、Aさんが蒸発したら回収ができなくなりますが、AさんとBさんとCさんに貸すと、AさんがいなくなってもBさんとCさんは返してもらえる可能性はあります。
ようは投資の分散が簡単にできるようになるので、元本割れのリスクが少なくなります。
これで5-7%くらいは保障できますよー、というのが売りになっています。
実際に投資してみる
ということで、実際にやってみて1年半くらい経ったのでレビューしてみます。
一つの投資の単位は$25になります。
実績からすると、100件以上運用すると=100件にリスク分散できると、統計的に5-7%リターンが帰ってくる可能性がぐんと高まります。ということで、最初の元本は$2,500でやってみました。
↓1年半、厳密には1年7ヶ月後の状況。
上から年率、アカウントのバランス、利息収益。
ということで、年率は6.82%で運用されています。
Auto Investmentの機能をOnにしているので、利率で入金された分は再投資するようになっています。
この機能を使うためには、自分であらかじめポートフォリオを設定します。
といってもポートフォリオ設定は簡単にできます。
借り手のクレジットスコアや履歴などから、返してくれる可能性の高い順にカテゴライズされています。カテゴリごとによって利率も変わってきます。
ポートフォリオ設定は、この割合を決めるだけです。
Aだらけにすると、戻ってくる可能性は高いけど、利率が少ない、けどGだらけだと、そもそも戻ってこないかも。
ということで、その割合を決めます。
難しかったらデフォルトで何個かパターンがあるので選択すればOKです。
債務不履行
やはりこれを使う時に一番気になるのは、どれだけ貸しっぱぐれがあるかですね。
ということでその状況も見てみました。
- 合計案件数:211件
- 債務履行不能:10件
- 債務遅延:5件
- 債務遅延候補:2件
ということで、10%弱が貸しっぱぐれというような状況でした。
それでも残りの90%利率を計算すると6.82%ということで、この割合が著しく増えない限りは安定した収益になりそうです。
これならもう少し元本を増やしてもいいかもと思います。
欠点
リターンはそれなりに安定しているので、もう少し元本を増やしてもいいかなと思いますが、欠点は資産の流動性ですかね。
各案件は36か60ヶ月の支払い期間になっています。裏を返すと、それらが全て終わるまでは資金回収ができません。
なので、資産運用でガッツリ投資するという感じではなく、長期で、なんなら確定拠出年金なみに、後でもらうことを前提にしないといけないです。
これはなかなか痛いですね。
将来性がどこまであるのか不透明ですし、それ以外の投資方法の方がリターンが見込めるかもですし。これはなかなか頭を悩ませます。
IRAみたいな年金の扱いにして税制優遇をもらって何十年後に払い出すというのが一番なのだろうか。
まとめ
実際のリターン額と年率はそれなりに満足するレベルですが、やはり資産の流動性が仇となっている気がする。
本当に使わないお金を寝かせておくだけであればいいかもですが、それでも3年間ほどのコミットが必要になるので、あまり大きくは投資に使えないですね。
それでも子供の学費だとか、年金といった長期的なスパンで考えられるものであれば使い道はあると思います。
ということでしばらくこの$2,500は漬けておこうかなと。