日本のラップはカッコ悪いと意見のうち、半数は単にヒップホップが嫌いなだけだと思いますが、それを差し引いても日本語のラップはたしかに「うーん……」と考えてしまいます。
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日本のラップ
そもそも、言語的に
- 抑揚がない
- 発音(母音)の数が圧倒的に少ない
- 言葉が汚いとただのバカっぽく見えてしまう
- とにかく非日常感が半端ない
という日本語の特性がやっぱりラップにうまくハマらない理由なんじゃないかと。
それでもなんだかんだでヒップホップ業界がここまで育ったのはrhymesterの牽引のおかげだと勝手に思っています。
ということで何がどうすごいのかをもう少し書きます。
その1:メッセージ性
ヒップホップかどうかということを超越して、歌に込められたメッセージ性がすごいです。
初めてしばらくは天狗だった しばらく経ってから面食らった ……(中略)…… そうか おれは天才じゃないんだ 逆におれには限界がないんだ (K.U.F.Uより)
とか
選ぶのは君だ 君だ 決めるのは君だ 君だ 考えるのは君だ ほかの誰でもないんだ (The Choice is Yours)
とか。
なんというんだろう、気概があるんです。魂入ってます、的な。
しかも感覚がなんというか若い感じ。まだまだ挑戦し続けてる、という雰囲気が熱さを感じさせるんですね、きっと。
その2:知的さ
3人とも早稲田卒という学歴も持っています。もちろん学歴が高い方が賢いというわけでは特にないですが、ヒップホップという言葉を主体にした音楽に関していうと、ボキャブラリーの多さもさることながら、その言葉のレベルが顕著に出てしまいます。
「Yo! Yo!お前ヤバイYo!」とか言っちゃう知的感がヤバイほどない歌詞を聞いてしまうと、それだけで聞く耳も持たなくなってしまうし、この人たち何言ってるんだろう、と壁を作ってしまいます。
特に日本みたいに読み書きがほぼ全員できるような国ではこれは致命的なんだと思います。
汚れたマネー 腐った官僚 腐った政治家に大企業
腐った国家 日本株式会社 ヤツらが悪い おれは被害者
大人が悪い 子どもが悪い ゆとりのせいで あたまが悪い
教育が悪い 行政が悪い 巡り巡って大人がわるい
(中略)
この世界はそんな単純じゃないんだ ラスボスはどこにもいないんだ
(The Choice is Yours)
とか。
気が付けば人生も後半のページ
なのに未だハンパなステージ 時には手痛くくらっちまうダメージ
まるでいつか使う予定のマイレージ みたいにひたすら溜め込むデカいイメージ
(Once Again)
とか。
表現力とはまた違う言語力というのがやはり品格を出しますね。
その3:謙虚さ
なんというか驕りがないんですね。
これだけ成功してて、日本では先駆者的な立場なのに、全然偉そうな感じがしないんです。
後輩というかその後に続く人たちに慕われるのがよくわかるし、反骨精神が素晴らしいんです。
詰まる所人間性なんだろうな、きっと。
総括
と、色々書いたけど、一回聞いてみることをおススメします。
特に「日本語のラップってイマイチじゃね?」みたいな人はまずは聞いてみることをおススメします。
最近出している曲の方が入りやすいですかね。きっと度胆抜かれることでしょう。